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第一回
臨床心理士・家族相談士 生田 倫子 先生

「サポートはキリがない
  だから100点満点を目指さないで」

■ 初めから頑張りすぎると、続かないこともある

カウンセラーとしてたくさんのうつ病患者さんとその家族や友人に接してきた中で感じるのは、「最大限のサポートをしなければ」「自分のやり方では不足なのでは」「自分だけは明るくふるまわなければ」「弱音を吐いてはならない」と肩に力が入る家族や友人が多いこと。でも、うつ病のサポートはからだの病気と違い、具体的な手ごたえがないものです。長期化すると「自分だからうまくいかないのでは?」と誰かに丸投げしたくなったり、疲れて続かなくなってしまうことがあるのです。しかし患者さんにとって最も良くないのは、サポートをきられること。「どうサポートしていいか分からない」あなたでも、「あなたが必要」なのです。

■ ひとりきりで抱え込まずに、理解者を見つけよう

うつ症状と付き合うには、まずうつ病について知ること。そして「自分だけで支えよう」とは思わないこと。私は、家族の他のメンバーや親・親戚・友人など、自分と一緒に支えてくれる人を探すように勧めています。なるべく多くの手で患者さんを支えると良いでしょう。
気持ちを共有できる仲間を、病院の待合室やインターネット、家族会などで見つけておくのも良いと思います。大事なのは「よくやっているね」とお互いに褒めあうこと。「頑張っているのに認められない」状態ほどつらいものはありませんから。自分を心理的に支えてくれる人を確保してください。それは友人でも、行政の相談機関でもいいのです。

■ 自分のキャパシティを知り、それを患者さんや周囲に伝えておく

自分のキャパシティを知っておくのも大切です。患者さんに「平日は●時には寝るね」「日曜日、私は外出するから」など、自分の限度を伝えたっていいのです。「もっとしてあげられたのに」と自己嫌悪におちいることもあるかもしれませんが、自分がまいってしまっては元も子もありませんよね。ムリをしたサポートは、短期間しかもちません。

■ 肝心なのは、自分も大切にすること

サポートする家族・友人も病気が長期化すると、気長に待ってあげようと頭ではわかっていても、あせり・イライラ・孤独感を感じたり、気がめいったりするものです。
私は、100点満点を目指して自己嫌悪になるくらいなら、「60点でいいじゃない」と思っています。そして少しでも「良くできた」と思ったら、自分へのごほうびをあげてください。映画を観に行く、CDを買う・・・ささいなことでいいんです。それが励みにもなります。また、あえてこの機会に好きなことを始めて、気分転換をはかるのもいいですね。
肩の力を抜いて精神的な余裕をもつことが、サポートをムリなく続けていくポイントではないかな、と思っています。


 

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